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本記事の筆者 牡丹です。
幼少期~小6の卒業式の日まで場面緘黙症でした。
2021年10月に放映されたニュースで、見逃せない「場面緘黙症に関するニュース」がありました。
悪用された「場面緘黙症」
本記事で取り上げるニュースは、「場面緘黙症・知的障がい・広汎性発達障がいを持つ女性が、障害特性に漬け込まれて、性被害を受けた」というニュースです。
詳しくは、以下リンク記事もしくは動画をご覧ください。
【犯罪に巻き込まれた女性】404 Not Found - お探しのページは見当たりません -|朝日放送テレビURL(サイトアドレス)で指定したページが見つかりませんでした。削除された、またはURLが変更された可能性があります。
『家族以外と話せない』という場面緘黙症の症状を利用して、犯罪行為をしたということが許しがたいです。
被害女性はどんなにつらかったでしょう。
『周りにSOSを出さないといけないのに、そんなときにすらも声が出せない』
筆者自身も、場面緘黙症時代に経験していたことですが、改めて場面緘黙症の恐ろしさを痛感します。
「話せない」けど「思考」はできます
場面緘黙症の人は、話すことはできなくても、頭の中で「思考」はできます。
嫌なことは、しっかりと「嫌だ」と感じています。
ただ、それを言葉にして言えないのです。
もちろん、記憶もちゃんとできます。
家族とのコミュニケーションが重要
今回、被害女性は母親に被害を伝えて、犯罪行為として裁かれることとなりました。
自分の経験したことを後で「家族に話す」ということはできるので、犯人はその場では逃げきれても、最後までは逃げきれなかったのです。
このように、”家族とのコミュニケーション”は、場面緘黙症の人にとって、とても重要なものです。
「家では話すのに学校では話さない」という表現をされることが多い場面緘黙症ですが、逆を言えば「学校では話せないけど家では話せる」となりますね。
場面緘黙症の家族の方は、自らが「本人と話すことのできる、貴重な人間であること」を忘れないでください。
場面緘黙症の人は、家族と落ち着いて話をすることで、「ストレスの解消」や「問題解決」をしていくきっかけになります。
場面緘黙症の人が、弱者である現実
犯罪ではなくても、集団生活において「いじめ」の対象になりやすい場面緘黙症。残念ながら、場面緘黙症の人は、日常的にも症状に漬け込まれて、いじめられることがあります。
筆者自身も、「何も言わない」ことを逆手に取られたいじめは、当事者の時、たくさん経験しました。
例えば、以下のようないじめです。
・私物を勝手に盗られる ・教科書を忘れたクラスメイトが、筆者の教科書を勝手に持っていき、自分は忘れ物をしてないフリをする ・同級生たちから身体を倒され押さえつけられて、長時間嫌がらせをされる ・筆者の目の前で、ずっと悪口を叩かれる
普通だったら、「やめてよ!」と怒り出したり、泣いたり、先生に訴えに行ったりなど何かしらの反応をするものです。
一方、場面緘黙症の筆者は、「ひたすら耐える」一択となります。
どんなにやめてほしくても、泣きたくても、無口無表情のまま耐え続けないといけないのです。
場面緘黙症は、社会的に弱者になりやすいのが現状です。
今回の事件自体もあってはならないことですし、場面緘黙症の人へのいじめについても、もっと実態の把握が必要だと感じます。
まとめ
今回のニュースも機に、また場面緘黙症という名前が広がった可能性もあります。
それは良いことですが、逆に「悪用できるもの」というふうな見方が植え付けられても困ると思います。
今回のニュースと同じようなことが、表に出てこないだけで、実はたくさんあるのかもしれません。
障害特性を逆手に取った犯罪行為を、泣き寝入りさせないようにしていくことが、今後の課題です。
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